飲食店におけるEC進出時の商品開発とは
- 2021.01.15
こんにちは!助ネコ店長です。
これまで実店舗運営での事業が中心だった会社、店舗が、EC業界へ進出するにあたり、初期の参入障壁となるのが販売する為の商品の開発となるところが多いと思われます。
実店舗で看板商品があった場合、その商品をEC用のパッケージにするだけで、EC進出が可能なショップ様もいらっしゃいますが、これから開発する方にとっては大きな壁と成り得ます。
また、看板商品=売れ筋商品とは限らず、実店舗を支えているのは「看板商品A」ではなく「隠れた人気商品B」だった場合、ECショップでの看板商品とするのは「隠れた人気商品B」が最適だと考えます。まずは、自分のお店の売り上げ構成率を確認し、ECで販売する商品を選出するようにすると良いのではないかと思います。
ECの為だけに新商品を開発、新しい材料を仕入れ、製造工程を追加。パッケージ資材も専用の物を作り・・・等々、開発コストはかなりの高負荷になる事は、往々にして想像できると思います。それが普段から実店舗とECの両方で販売する事が出来る商品であると考えたらどうでしょう。ECで注文があった時、発送する時のパッケージングだけを準備すれば、最低限の準備でECの商品としても販売が出来ます。
「お店の看板商品をECで売らなければならない」と考えた時、その看板商品が、発送する事は難しい商品だった場合、新しく発送用商品として再開発しなければならないと考えるかもしれません。しかし、そういった考えは一旦取り払い、お店で売り上げを支えている他の商品は無いか?と俯瞰してみて下さい。
例えば、代々伝わるレシピを守り続けている「ラーメン」が看板商品の町の食堂があったとします。しかし、その食堂では、実は「奥さんの作るプリンが人気で~」なんて事も有るかと思います。実は!その食堂の隠れた人気商品のプリンが、ECの商材として売上を支える第2の柱の商品になる可能性が高いのです。看板商品も人気ですが、本当は、お店を支えているのはプリンでもある。そんな商品をECの商材にする事で、プリンの販売量が増えた時には、材料、資材の商品回転期間も短くなり、実店舗でも販売できるため不良在庫や過剰在庫も調整ができ、収益性が向上する様になると考えられます。
更にECでも人気が出て製造量が増えると、話題性により実店舗での売上げも上昇して行くという相乗効果も得られます。つまり、この場合、実店舗の看板は飲食業ジャンルである「町の食堂」ではありますが、ECサイトでは菓子・スイーツジャンルの「プリン屋さん」として看板を掲げる事が最善とも考えられます。製品の回転が良くなるという事は、資金繰りにも有利に働きますので、まずは回転率が高いと想像される商品開発を目指す事をお勧め致します。
実店舗の屋号にブランド力があり知名度が高い場合は、実店舗とECショップ名を同じにする方が、ブランド力により早く世間に知れ渡り、売り上げに繋がりやすいと判断する場合には、実店舗屋号とECショップ名を同じ名前にする事をお勧め致します。ただ、その場合、実店舗の販売価格とECでの販売価格のつじつまを合わせる事に苦労する場合が多くなります。
例えば、昨今「3,980円 送料無料(送料込み)」といった様なお得感をプラスした販売方法がEC業界では一般的になって来ており、この手法を利用するECショップも少なくありません。その為、競争に勝つために「送料無料」設定も余儀なくされる時が来る事でしょう。
その時が来た時に、実店舗への販売に影響が無い様にするために、ECショップの屋号は実店舗とは違う屋号にするお店様も多くみられます。この送料無料(送料込み)での販売に対応する為に、実店舗での販売価格のままでは対応できない為に、後から値上げをするといったところで苦労する店舗様も多くいらっしゃいますので、ECに進出する際には販売価格の構成比をしっかり確認し、販売戦略を構築してからEC出店するようにした方が良いでしょう。
食品に多いのですが、実店舗で普段販売する製品は、常温発送、または冷蔵で販売の商品ですが、ECで発送する場合には冷凍にしなくてはならない場合があります。それは賞味期限が短い製品の場合などに多く、冷凍で発送する製品とする事で賞味期限を延ばしECで販売できるようにするという場合です。
例えば今回の題材のプリンです。店頭ではプルンッっとしたプリンですが、冷凍すると食感が変化する為、発送用の冷凍プリンは解凍時なめらかになる様にする為に、使用する「糖」を変えたり、少し硬めに作るといった様な手法を使う場合があります。つまり、店頭で販売用の製品とECで販売用の製品の作り分けをしなければならない製品もあります。しかし、それでは前項で説明した商品回転期間の短縮による収益性の向上に貢献できません。その為、可能であるならば、当初は実店舗で販売する製品とECで販売する製品の原材料、製法、レシピ等は統一する事をお勧め致します。それが失敗しない、長く販売し続けるコツなのです。
これからEC進出を検討されているみなさん、いかがでしたでしょうか?EC出店する前にクリアしておく必要のある課題が見えて来ましたでしょうか?クリアできる道筋が見えましたらあとは出店し、商品を登録するだけです!未来の為に頑張ってくださいね。
助ネコ店長は、ネットショップ様の参考になるような情報をこれからもご紹介してまいります!