2012/07/26
名古屋グランパスエイト 様
- 雑貨・日用品
「様々なシステムやサービスを探して、試して…「これだ!」と思えたのが助ネコでした。初優勝セールの時、受注管理はやっぱり使い慣れた助ネコでいきたいと思っていて、あの時は本当に助けて頂きました。」
2010年に初優勝を果たしたJリーグの人気サッカーチーム、名古屋グランパス様。
地元のファンはもちろんのこと、全国各地に大勢のファンをもつ名古屋グランパス様のオンラインショップ事情を取材して参りました!
- ネット販売歴:
- ネット販売歴 4年(2012年7月インタビュー当時)
- ご利用サービス :
- 受注管理
INTERVIEW
- Q.お蔭様で助ネコはご縁をいただき3年ほど、ネット販売のご支援をさせていただいていますが、名古屋グランパス様がネットに進出されたのは何年前だったのですか?
- A.(相川様)え~と、2008年ですから、もう、4年になりますね。
そもそもその前は直営の実店舗をやっていました。
ちょうど、この近辺で。 - Q.そうでしたか。このあたりは名古屋のど真ん中ですね。
- A.(相川様)ええ、ですから家賃がものすごく高かったんです(笑)。
採算性が問題視されていたので、いっそネット販売に切り替えよう、ということになったわけです。 - Q.それを機に助ネコ受注管理を採用していただいたのですが、どのようなきっかけだったのですか?
- A.(相川様)当時使用していたカートシステムのバックヤード機能が物足りなかったので、様々なシステムやサービスを探して、試して...「これだ!」と思えたのが助ネコでした。
コストパフォーマンスもさることながら、その頃はまだ珍しかったクラウド型というのも高ポイントでしたね。
ユーザーサイドではメンテナンスに全く手間がかからないので、これは大きなメリットだと思います。 - Q.お褒め頂き、ありがとうございます。
ネット販売を始めて、発見はありましたか? - A.(相川様)そうですね、グランパスのファンは全国にいますが、ネットでは関東圏のお客様が沢山買ってくださいますね。
特に東京・横浜のお客様が多いです。 - Q.そうなんですか。
名古屋の方よりも、遠方の方が沢山購入されるんですね。 - A.(相川様)ネットではそのような傾向がありますね。
逆に地元のお客様はスタジアムでグッズを買われる方が多いのだと思います。 - Q.そういう意味では、ネット販売への潜在的な需要があったんですね。
他に実店舗での販売とで、違った部分はございましたか? - A.(相川様)そうですね、ネットショップがオープンして間もなく前任者が退職してしまった影響もあるのですが、インターネットで販売するということはどういうことか、最初誰もわかっていなかったんですね。
それまで直営店で店頭販売していたスタッフが、ある日を境に、ネット販売チームになったわけですから。
まったく勝手がわからなかった。
ネット販売を始めて2ヶ月くらいして、天野が入社したんだったね。
(天野様)はい、私もそんなにパソコンが大得意という方ではないんですが、入社して、まずびっくりしたのが、お客様からのメールが受信トレイにたくさん溜まっていて...(苦笑) - Q.えっ、ご購入されたお客様のですか?
- A.(天野様)はい(苦笑)。
ネット上の掲示板に、「メールを書いたのに返信が来ない。」なんて書き込みがあったりして。
「これは、大変だ!」と。
それでもう、入社して最初の仕事は、ただただその膨大なメールに1つ1つ返信する仕事でした。 - Q.それは…、すごいエピソードですね。
- A.(相川様)インターネットで物を買う人は、メールで問合せをしてくるなんて誰もわかっていなかったんですね。
お店は、その場で商品を梱包し手渡して終わり、でしたから。 - Q.でも、お客様からも「なんでメールに返信しないんだ!」といったクレーム電話もあまりなかったんですね。
さすが、グランパスさんのファンは懐が深いですね(笑)。
今は天野さんが、そういったメールでの接客をばっちりされているんですね。 - A.(天野様)そ~ですね。
ばっちりかどうかはわからないですが、担当しています。
今では、お客様から、購入と関係ないメールが届いたりもしてます(笑)。 - Q.どんなメールがくるんですか?
- A.(天野様)例えばサポーターさんだと思いますが、アウェイでの試合に行って現地からメールをくださるんですが...
「今、こっちは雨です」と1行だけで、お名前もなかったり(笑)。 - Q.それは、普通のネットショップさんではありえない話ですね(笑)。
やっぱり、ファンやサポーターの方々は、運営されているスタッフの皆さんに対してものすごく親近感を持っていらっしゃるんでしょうね(笑)。
でも、そういうメールはさすがに、お返事のしようがないような、、? - A.(天野様)一応、できるだけ、何かしら返信はするようにしています。
短くても。 - Q.そーなんですか! さすがですね。
- A.(相川様)サポーターの方々は、日々頑張って仕事をして、もらったお給料で、自腹を切って遠い地方までチームを応援に行ってくれるわけです。
本当に、ありがたい存在なんですよね。 - Q.なるほど、ファンやサポーターの皆さんを大事にされているんですね。
すばらしい姿勢ですね。 - Q.ところで、ネットショップで一番人気のある商品はなんですか?
- A.(相川様)そうですねえ。。
あっ、「監督着用!」は、魔法のキーワードです(笑) - Q.なるほど! ストイコビッチ監督ですね。
- A.(相川様)監督は、選手時代からカリスマでしたから、グランパスに監督として戻ってきてからチームがまた上向きになって優勝もできたので、やっぱり、ゆるぎない人気がありますね。
- Q.「監督着用」と聞くと、ファンなら誰でもしびれますね。
でも、ちょっと量産できない商品ですね(笑)。
ファンサービスとして、着用品を提供していただくのですか? - A.(相川様)さすがに着用済みのものは販売できませんが、ご本人が着用する同一モデルの商品を販売しています。
ファンの見えるところで着用してもらわないといけないので、前もって確認しますよ、チームスタッフに。
「ちゃんと、試合で着てくれますよね?」って。 - Q.自宅で着ていたというのは、だめなんですね。
- A.(相川様)公の場でないと着用したことにならないでしょうね(笑)。
- Q.グッズ販売以外の思い出深いお仕事は?
- A.(相川様)う~ん、そうですね。
国際大会へ出場するようになったりして、チームも忙しくなってできなくなりましたが、以前はファン感謝デーのイベントを担当していました。
準備がすごく大変ですし、もちろん成功させないといけない。
普段の試合とはまるで勝手の違う大規模なイベントなのでものすごくプレッシャーを感じるんですよ。
最もタフな仕事のひとつなんですが、でも、終わると、一番充実感がありますね。
参加したファンのみなさんが、ものすごくいい笑顔で、ありがとう!って言って帰っていかれるので、やってよかったなあ。。と。
試合と違って、絶対に、負けたりすることはないでしょう? 全員ハッピーになれるイベントなんです。 - Q.なるほど、 チームとファンと運営サイドの気持ちが一つになるイベントなんですね。
とてもいいお話ですね。 - Q.そうした時代を経て、2010年のリーグ初優勝を達成されたのですが、 自分たちのチームが優勝するというとき、皆さんはどんなお気持ちでしたか?
- A.(相川様)そうですね~、2010年は、首位を独走していて、もう優勝しそうだ、、という状況でしたから優勝セールの準備をしていったんですが、何しろ、優勝するなんて、経験したことがないじゃないですか(笑)!
何から何まで、初めてのことで、、。
(天野様)うれしい反面、連日、深夜まで働いて、最後の方はフラフラでした(苦笑) - Q.優勝当日は、みなさんどんな風に過ごされていたんですか?
やっぱり、チームの応援やグッズ販売に行かれたりするんですか? - A.(相川様)いえ、会社でネットショップの仕上げをしていました。
- Q.えっ?
あっ、優勝記念セールをするために立ち上げた新規の特設サイトのオープン、でしたね! - A.(相川様)ええ、サイトはできていたんですが、最終テストをずーっとしていました。
こちらが想定していたタイミングより早く優勝が迫ってきたので焦りましたね。 - Q.確かに、初優勝のセールが準備不足で開催できないというは、絶対にあってはならない・・・ですね。
- A.(相川様)もうちらちら時計を見ながら、時間との戦いでしたね。
- Q.いっそ、今日は優勝を持ち越して...と、頭をよぎったり?
- A.(相川様)ええ、まあ(笑)
今では笑い話ですけど、当時は笑ってられませんでした。
あの日は、対ベルマーレ戦で。
念のため、スタッフ一人だけは、平塚に送っていましたが、、、
そうでした!、平塚(アクアリーフの所在地)でしたね! - Q.ええ、それもすごいご縁だな、と皆で話していたんです。
その節は優勝記念グッズを私どもにまで沢山送っていただいて、 ありがとうございした。 - A.(相川様)あんなに送って、ご迷惑じゃないのかと、天野に言っていたんです(笑)。
かえって、気分を害するんじゃないのか?と。 - Q.いえいえ(笑)。
本当に、社員一同、心から、グランパスさんの優勝をお祝いしていました。 - A.(相川様)いやぁ~、あのときは本当に、助けていただきました。
受注管理は、やっぱり使い慣れた助ネコでいきたいと思ったんですが、そのための開発をタイトなスケジュールで引き受けていただいて、ありがたかったです。
いろいろ社内調整が大変だったのではないですか? - Q.若干、開発スケジュールの調整は入りましたが、でもあたりまえのことをしたまでです。
グランパスさんに助ネコを見つけていただいたのはリリース後まもない生まれたての時期で、まだまだ未熟だった助ネコを育てていただいたと思っておりますので、そのグランパスさんの一世一代の優勝記念セールというのにご協力しないわけにはいかないと(笑)。 - A.(相川様)いや、本当にありがたかったです。
で、そちらはおかげさまで間に合わせていただいたんですが、肝心のサイトが大変でした - Q.でも、間にあったんでしたね!
- A.(相川様)ええ、ぎりぎり。
何度も何度もテストを繰り返して、それでも、正常に動くのだろうか心配でたまりませんでした。 - Q.それで、優勝が決まった夜に無事オープンし、ご注文が殺到したわけですね。
- A.(相川様)いえ、それが、あまりに沢山のお客様からアクセスが集中したためにサイトが固まって、スムーズに注文できなかったようで(苦笑)
- Q.そうでしたか~。
よく、テレビ放映された直後のネットショップさんはどうもそういうことがあると聞きます。
お電話もじゃんじゃん鳴ったりしましたか? - A.(相川様)ええ、翌朝からしばらくそんな状態でした。
(天野様)やっとアクセスできたと思ったら売り切れだったお客様が多くて「再販売はないんですか?(涙)」とか「何個あったんですか?」とか、メールやお電話のお問い合わせをたくさん頂戴しまして・・・
ひたすらお詫びしていました。
初優勝でしたし、記念グッズに関してもサポーターの皆さんの思いが伝わってきて、申し訳なかったです。
(相川様)でも、優勝記念DVDは、評判よかったね。
(天野様)そうですね。
優勝までの軌跡をダイジェストでDVD化したものなんですが、ご要望いただいたファンの方のお名前がエンドロールに記載される特典をお付けしました。
初優勝に向かってチームと共に戦ったシーズンを自分事として形に残せるので、ファンの方に恩返しになったかなと、思います。 - Q.企画部のみなさんは、販売だけでなく、イベントの企画や、グッズの企画もされるんですね?
- A.(相川様)もちろん。
- Q.ファンやサポーターさんの方からアイディアをいただくことはありますか?
- A.(天野様)いただくこともありますね。
「こんな商品が欲しい!」とイラストが送られてきたり。
いくつかはサポーターさんのアイディアや、選手とコラボで世に出た商品がありますね。 - Q.そういう意味では、お客様とかなり一体感があるお仕事ですね。
- A.(相川様)ただ、商品化するには、コスト、完成までかかる期間、どのくらい売れるかという予測、そういったシビアな計算をするのが私たちの仕事です。
「面白いな」だけではなかなか商品化のGOは出せないんですよ。 - Q.ビジネス的には、単純ではないのですね。
- A.(相川様)そうですね、仮に商品化が決まっても、一つの商品が製品化するのに、数ヶ月かかるんですね。
優勝記念グッズも、「待つから、追加で生産してほしい。」と仰る方もいたのですが、一般の既製品とは違うので、そう簡単にはいかないわけです。
あのイベントにこれを!と思っても、間に合わなくてあきらめることもあります。 - Q.計算が狂うことも?
- A.(相川様)ありますね。
たとえば、選手の移籍が突然決まったとか。
そうすると、やっと出来上がったすべてのグッズは、、、 - Q.お蔵入りですか?
- A.(相川様)全て廃棄してしまいます。
- Q.もったいない...。
- A.(相川様)そうですね。残念ですが…。
1つのグッズができるのには、けっこう長い工程があって、デザイナーさんと打ち合わせを繰り返して、やっと企画がまとまり、それから糸を染め、縫製し、ワッペンを付けて、という感じで、何か所も工業を渡り歩いて、数ヶ月たってやっと仕上がってくるんですよね。
それを自分たちで廃棄にしないといけないのは、、ね。 - Q.でも、仕方ないこと…?
- A.(相川様)そうですね、それがオフィシャルショップとしての責任ですね。
- Q.なるほど、プロ意識を感じますね。
他にも、運営するお立場でのご苦労はありましたか? - A.(相川様)そうですね。
確かにここ数年は常勝チームと呼ばれるようになりましたが、過去はいろいろ大変な時期もありました。
チームが勝っていると、チケットも売れますし、お客様も盛り上がりますし、グッズの売り上げも上がりますけど、、 - Q.やっぱり勝って盛り上がってこないと、売り上げが伸びない・・?
- A.(相川様)私たちのビジネスは、一般的な小売業とは違った部分があります。
例えば、売り上げを上げるために、商品の品質を上げるなどの工夫をすればいいのかというと、もちろんそれも大切なことですが、チームが低迷しているとなかなか思い通りに業績が上がらない。
売る側の力だけで解決できない要素の方が圧倒的に強いですね。 - Q.なるほど、普通の小売店さんのように、アイディアで乗り越えられないものがあるんですね。
- A.(相川様)そうですね。
あの手この手で知恵をしぼって、いろいろなプロモーションをしてチケットをがんばって販売して、スタジアムに沢山のお客様を呼び込んで客席がいっぱいになって 「よしやったぞ!さあ、、あとはここでいいゲームを見せて、勝ってほしい!」と気合十分なときに限って、負けゲームだったりすると、、ガクッと(笑)。 - Q.外から拝見していると、華やかな業界に見えていましたが...、
- A.(相川様)そうですね、試合の当日やイベントの場面だけご覧になるとそのような印象もたれると思いますが、華やかな場面は仕事全体のうち2割くらい。
残りの8割は数字を追いかける地味な仕事です。
どのタイミングで、何を企画するか、どうビジネスを成り立たせるか。いつも頭を悩ませていますね。 - Q.シビアなんですね。
- A.(相川様)目の前の試合結果で一喜一憂しないようにしています。
ある意味、ファン目線であってはいけない部分がありますから。
試合で負けても、落ち込んだりしていたら仕事にはならないでしょう?
逆に、成績が良ければ如何にしてその勢いを商売に繋げるか...。 - Q.ビジネス目線で、冷静でないといけないんですね。
- A.(相川様)実は、先日設立以来、初めてスタッフを一般公募したんですが、神戸がその際に入社したスタッフです。
彼はまだ少しファン目線が残っているかもしれません(笑)。 - Q.そうなんですか?
神戸さんは、地元のファンだったのですか? - A.(神戸様)いえ、僕は関東の出身です。
僕自身は野球をやっていて、スポーツ観戦は幅広く好きでした。
それで前々からプロスポーツの業界で仕事がしてみたいな、と思っていたんです。 - Q.野球業界でなく、なぜサッカー業界に?
- A.(神戸様)野球は企業性が強いですが、サッカーは地元と結びつきが強くて、サポーターやファンとのつながりを大事にするスポーツなので、やりがいがあるんじゃないかと。
- Q.実際、入ってみてどうですか?
- A.(神戸様)そうですね、楽しいです。
サポーターの方々の思いが分かりますから、日々、やりがいを感じています。
よく、監督が「ファミリー」という言葉を使うんですが、共感できるところがあります。
でも、ファン目線だけではいけないですので、そこはしっかり気持ちを切り替えたりして仕事をしています。 - Q.そうですか。
なんだかいいお話ですね。がんばってください。 - Q.シーズンも後半に入ってきましたが、次のお仕事は?
- A.(相川様)近くまたスタジアムイベントがありますので、それに向けていま準備をしているところです。
これは、かなり大きな企画ですね。 - Q.そうですか、 まだまだ、ご多忙な日々が続きますね。
シーズンが終わると、少しゆっくりできるんですか? - A.(相川様)そうですね、ちょっと落ち着きますね。
あっ、でも優勝した年は、ずーっと働いていたね。
(天野様)はい、気付いたら翌年度になってました(苦笑)。
(相川様)クリスマスとか、年末年始もオフはほとんどなかったですね。
休む間もなく、次のシーズンの準備が入って(笑)。 - Q.そうなんですか、優勝するとずーっと、忙しいんですね。
今年も、そうなるといいですね(笑)。
本日は、長時間、ありがとうございました。
なかなか普段耳にすることのない興味深いお話でした。
それからまた、今後とも助ネコ共々、よいお付き合いをさせてください。 - A.(相川様)こちらこそ、助ネコには、満足度120%しています。
ひきつづきよろしくお願いします。
(天野様)いつか、私達も平塚に伺える日がくることを楽しみにしています。 - Q.はい、もしかしてそれは、地元チームがJ1に昇格したら!ですね。
- A.(相川様、天野様、神戸様)はい。そう願ってます!
- Q.それも期待をかけないとですね(笑)。
ありがとうございました。 - A.(相川様、天野様、神戸様)こちらこそ、ありがとうございました。
(インタビュー:2012年7月 聞き手:助ネコ事業部)
※この記事は2012年7月時点のものです。2012年11月に湘南ベルマーレはJ1復帰が確定しました。